24号雑感 黒猫の感想も別のページに書きました。


●ジャンプ十二傑新人漫画賞大発表!!

なんと今回の審査員は、あの大傑作「パンツ100%」の河下先生!! これは刮目して読まねばなりません。


河下水希先生特別賞「ANIDRO(アニドロ)」に対する講評

> ただ、序盤で主人公に感情移入させる工夫が薄いため、せっかくの力が活かしきれていません。読者を引き込むことを意識せてください。

すばらしい!! 「逆上がり」というかつてない斬新なプロットで主人公の魅力をこれでもかといわんばかりに引き出しまくったばかりか、物語を進める中で、読者全ての感情を一つにまとめて作品に引き込む主人公のキャラクターを完成させた河下先生にして初めて可能なアドバイスです。
やはり、マンガは主人公ですよ。魅力のない主人公の活躍なんて誰も見たくはありません。


・最終候補「AKAZUKIN(アカズキン)かりん」に対する講評

> 女の子ならではの戦い方をするなどの工夫をして欲しいところでした。

まったくもって、おっしゃる通りです。男の子にもできる戦い方を、わざわざ女の子にさせる必要などありません。
名作、「パンツ100%」において、その「女の子にしかできない戦術」を食傷気味になるほど追究し続ける河下先生の不断の努力があればこそ、このような講評に説得力が出せるのです。


・最終候補「スカイハンド」に対する講評

> 次は自分にしか描けない何かに焦点を絞った作品を描いて欲しい。

いやはや、もう目からウロコとはまさにこのことです。「自分にしか描けない何か」を毎週毎週飽きもしないで描きつづける河下先生に乾杯(スコール)!!


・最終候補「シューティングムーン」に対する講評

> 主人公の境遇ばかりが描かれていたので、試合での活躍に唐突感が。上達してゆく努力の描写があればキャラの魅力も増したでしょう。

これこそ、天啓(オラクル)というものです!! 唐突な展開や努力のカケラも見受けられないキャラクターなど、クラッカーの歯クソ以下ですとも!
整合性を保って、丁寧な描写で緻密な展開をわかりやすく見せてくれる「いちご100%」。その天衣無縫なストーリー運びには毎回毎回舌を巻く思いです。


さて、以上の講評を踏まえた上で、本編を読んでみましょう。


●パンツ100%

なんとすばらしい話でしょうか!! これだけ妄想チックでリアリティのカケラもないご都合主義なストーリーを夢オチにしないところには、「もしかして、河下先生って『ホンマモン』なのか」という空恐ろしいものを感じました。
ジャンプで掲載を続けられる理由が、なんとなくわかったような気もします。そりゃあ、編集部だってサイコさんは怖いでしょう。

閑話休題。本編の感想に戻りますと、まったくもって非の打ち所のないすばらしい話でしたが、それだけにフェリーから落下した真中氏に対して打たれていた「矢印」が残念です。
あれがもう5cmほど右だったら、作品として完璧なものになっていたと思うのは、私だけではないと思うんですけどね……。


……今回、ちょっと思い立っていちごの感想を黒猫紳士的に書いてみましたが、はっきりいって精神衛生上よくありません。
黒猫はダメダメの方向がかわいいのですが、いちごはダメダメの方向に救いがないということがよくわかりました。
結局、良くも悪くも(……いや、良い要素は一つも見つからないけど)「まずパンツありき」の作品なんですね。パンツを見せるためだけのシチュエーションをこれだけ考え出せるということには感心できなくもないですが、この作品にそれだけのエネルギーを費やす価値はあるのかどうかは、私ごときにはわかりません。


さて、気を取り直して本編に行ってみよう! まずは、ジャンプ一番の萌えマンガから!!


●スピンちゃん

「そろそろつっこんでいいか?」とか「ほめて損した」、ツッコミの幅というよりは、ツッコミの階層に高さというか奥行きが出てきたような気がします。
基本的にオーバーリアクションという一方向のツッコミを極限まで高めたツッコミクイーンのビュティ嬢と張り合うための作戦としてはこれしかないでしょう。
ジャンプ界のツッコミの双璧と呼ばれるようになるまで、ガンバレ!!


ところで、恩(めぐみ)さんのTシャツの「EAT/FAT」のロゴって、またエラく自虐的なものを着ているものですね。

まあ、それはともかく「いやあるだろ」は恩さんじゃなくって、透瑠さんのセリフでしょ。かってにツッコミを取らないでいただきたい。透瑠さんの出番が1コマ減ったじゃないですか。


●武装錬金

やはりこの人は「王道」を描かせるとスゴイですね。学校全体の応援などすごく盛り上がりました。
爆爵さまがプツンとなるのが早すぎるのと、蝶・整体の登場で展開が決まってしまったこと(要するに3バカの活躍がこれで終わったってこと)は残念ですが、これからの「王道」的な展開に期待します。

でも、「隠れた才能」とか「生まれ持った天才」とかで無茶なパワーアップの説明をするのだけは本気でやめてほしいです。ジャンプ的には特訓(努力)と応援(友情)だけで充分じゃないですか。妙な後付けをやっちゃうと、努力と友情が軽くなっちゃいますよ。


和月先生の巻末コメント

ああ、和月先生も横山先生のファンだったんですね。
これから読まれるという三国志から、どれだけのエネルギーやエンターテイメントのエッセンスを受け取るのか楽しみです。


こち亀

公務員はバイト禁止っていうのは、もう過去の話なんでしょうか?
真剣にわからないので、誰か教えてください。


兄弟仁義

いや、この作品がどうこうというよりも、作品の掲載位置から、「え!? 今週、黒猫って休載だったっけ?」と思ったもので……。
嫌いじゃないですよ。こういうベタなギャグは。でもなんというか、ジャンプのカラーじゃないんだよなぁ。


●大石先生の巻末コメント

スゲェ! ジャンプ掲載経験者が川柳を目指すなんて!!


●じゃんぷる

アホ板の「あったらイヤな教科書」。
……。
……。
……。
……冨樫先生、あなたの罪は重い。


●ジャガーさん

いやあ、おもしろかったです。ハメ次郎パパのリアクション。

今の時代、ギャグの基本はネタよりもリアクションになっているのかもしれない。
……ということは、ついに透瑠さんの時代が来たってことですよ!!


20040512追加


●スピンちゃん

ペロたんの「ピコポコピン」って足音は某国民的お茶の間アニメのタラちゃんの足音なんでしょうか? タラちゃんの足音って、文字に起こしにくいからなぁ。
「スタピラピラリン」って表現していたのは誰だったけ?

・「ダメです かわいさが売りの御主人様を差し置いて」

ペロたんのこのセリフ、何気にスゴイです。
そうか、スピンちゃんはかわいさが売りだったんだ。てっきり腕力かと……。