GAG Special2005雑感
もう「一九ポンチ咄」だけが突出してすばらしく、あとは本当にグダグダな増刊号でした。
新人さん(?)の作品で唯一おもしろいと思えたのは梅尾先生の「黒子女子」くらいでしょうか。
もはや、大亜門先生を引き立てるためだけに、わざとおもしろくないラインナップを揃えたのではないかと勘繰ってしまうほどです。
「ドラゴンボール@澤井先生」や「ピューと吹くジャガー リュニーアルコミック」ですら中の下程度の完成度ですが、これは両先生の実力を発揮させることができなかった企画の問題でしょう。
そもそも、ドラゴンボールって一話の内容がやたらと薄いので、こういう企画にはまったく向いいてません。
べつに信者だからいうわけではありませんが、デスノート以外のストーリーマンガで選ぶなら、SBRか最盛期のハンター(……遠い目)くらいの密度がないと、澤井先生の勢いのあるギャグを受け止めることはできないと思うのですが……。
4コマでは「アイシールド」と「デスノート」と「ゲドーくん」がよかったものの、他は壊滅的……。
これで350円ってどういうことなんでしょう?
いや、私は「一九ポンチ咄」だけに250円くらい払っても惜しくないですけどね。
……ところで、その「一九ポンチ咄」。
藤田一九、野田慎右エ門とくれば、桂さんの下の名前はサヨちゃんなんでしょうね。
どんな字を当てるのかなぁ?
「月のワルツ」を聞きながらだと、どうしても小夜という文字が浮かんでしまいますが……。
◆20041117追加
読み返せば読み返すほど、「一九ポンチ咄」のおもしろさが際立つGAG Special2005。
この雑誌って、大亜門先生のマンガがどれだけウケるのかを調べるために用意された試金石なんですか?
スピンちゃん、ヒロイヤルシティと読んできましたが、この一九ポンチ咄って、大亜門先生の作品の中で、一番、連載向きなのではないでしょうか?
スピンちゃんの一番の弱点は、タイトルにもなっている主人公のスピンちゃんにこれといったキャラクターを与えられず、「エロボット」になるため日々学習するという一番の柱がギャグにつなげにくかったところにあると考えているのです(パロディで怒られたとか、そういうのは無視する方向で)が、この一九ポンチ咄は、主人公が強烈なキャラクターを持っている上、「とんち」という作品の柱は、さまざまなギャグに展開できる可能性があります。
また、単発の爆発力としては、この作品よりもヒロイヤルシティの方が上かもしれませんが、あの作品の設定はいかにも読み切り向きだと思います。
カオスレンジャーのヒーローとしての奇抜な行動をオチにつなげるためには、他のヒーローと対比させたり、客観的なランキングとしてのヒーロー選挙を行なう必要がありますが、それをギャグにするのという手法は二度も三度も使えるものではありません。
ということで、スピンちゃんの後釜を任せられる作品として、私はこの「一九ポンチ咄」を強くプッシュいたします。
連載を取ったあかつきには「文部省中央児童福祉審議会推薦マンガ 一九さん」とか名前をリニューアルして大暴れしていただきたいものです。
(いまは文部省じゃなくって文部科学省になってるので、問題ないですよね?)
・もじゃもじゃハンバーグ
> 「もうひとりの俺ェェェェ――!!?」
というリアクションが切実すぎます。
こんなソウルフルなシャウトで幕を開けるロックなマンガなんて梅沢先生にだって描けませんよ。
・暴力を一切使わずあらゆる危機を機転一つで乗り越える究極の護身術 それが一休流とんち術だ!
そういっておきながら、危機のほとんどすべてを血生臭いことで切り抜けた一九さんが怖すぎます。
とんちはあざやかだよ、一級品。
度胸は満点だよ、一級品。
いたずらきびしく一級品。
そしてケンカも抜群だよ一級品。
……って、もう完璧超人じゃないですか。
・一休の頭蓋骨が何で二つあるんだよ!! キミ完全に騙されてるよ!!
いや、一概にそうともいえないでしょう。
たとえば、右肩の方は一休宗純が20歳のときの頭蓋骨で、左肩の方は30歳のときの頭蓋骨だと考えればつじつまが合います。(←合いません)
・ギャフ―――ン 一本取られた――!!
ああ、惜しいなぁ……。
せっかくこんなにナイスなリアクションを取るなら、両目はバッテンにしてもらいたかったです。
・桂さんと馳(はせ)
私の中で、桂さんの下の名前は小夜ちゃんということになっていますが、馳くんのフルネームは、やっぱり、馳 執念(はせ しゅうねん)とかになるのかなぁ。
それにしても、一番最初の敵役にこの馳くんを持ってきたところなど、大亜門先生はさすがにわかってますね。
連載化すれば、きっと緒方 里塀(おがた りへい)とかいう購買部のおじさんや、キートン予染津(きーとん よしみつ)とかいう校長先生が出てきて、一九に無理難題をふっ掛けることでしょう。
で、最後に一九のとんち(というか暴力)でギャフンといわされる……と。
・おっと会話が成り立たないアホがひとり登場〜〜 質問文に対し 質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?マヌケ
やっぱり噴きました。
ここでこのパロディを持ち込んだことよりも、すでに大亜門先生がジョジョパロを使っているというだけで笑えます。
もうすでにジョジョパロを自分のカラーにしてしまった感がありますね。
・シャレにならない切り返ししちゃった――!!!
前のコマの「シャレきついっスよ!」と対句になっているところがすばらしいです。
馳くんはギリギリルールの中で勝負してきたのに、一九はゲームそのものをぶち壊したような感じがダイレクトに伝わってきました。
やっぱり大亜門先生ですね。セリフのセンスと会話の流れが秀逸です。
・そこは触れちゃダメって言われたろ!? バカじゃないの!? バカなんじゃないの ここの作者!! ありえない!! あらゆる意味でありえない!!
ヒロイヤルシティで見せてくれた自虐ネタをさらに進化させた、自爆ネタ。
先生の止まるところを知らない暴走には、読者の方がハラハラさせられます(それこそ、いろんな意味で)。
・ウソやハッタリだって立派な武器よ! 大人になったら舌先三寸で世の中を渡っていかなきゃならないんだから!
うわー、このセリフで一気に小夜ちゃん(仮)のファンになっちゃいました。
大亜門先生の描くヒロインって、「あざとさ」がまったくないのがすごく気持ちいいです。
シニカルさも、かわいらしさも、エロスさえも自然体でこなす小夜ちゃん(仮)。
彼女がツッコミ担当だったら、透瑠さんから乗り換えてたかもしれません。(←目黒が女性に寄せる最大級の賛辞)
・さあ! みんなでレッツとんちング!! レッツ とんち―――ング!
キメゼリフもバッチリ!
やっぱり、この作品は連載にしなくちゃいけませんよ!!
・私服姿の桂さん
シャツが「34」なのは、下の名前がサヨちゃんですよということをさりげなくアピールする小道具ですね?
……それとも、小夜ちゃん(仮)、桂三枝さんのファンなのかな?
・愛馬の秋剣(しゅうけん)だ
この馬の名の元ネタかどうかわかりませんが、安国寺にいたころの一休さんは「一休」ではなく、「周建」という名前だったそうです。
となると、あの名作アニメのタイトルも正確には、「一休さん」ではなく「周建さん」にならなきゃいけなかったわけですね。
でも、そうなると番組がCMに入るたびに、
「周建!」
「周建!」
「周建!!」
「は〜い!
あわてな〜い、あわてな〜い。周りに建てる。周りに建てる」
とかいうシュールなアイキャッチが入っていた可能性も多分にあるわけです。
お茶の間に不安と混沌を届ける国民的とんちアニメ、「周建さん」。たぶん、このタイトルでは1クール打ち切りはまぬがれなかったことでしょう。
・この橋わたるべからず
私は大亜門先生のファンをもって自任していますが、室町時代から続いた連綿と受け継がれたこの課題に対するもっとも優れた回答は、マンガ家、安永航一郎先生によってもたらされたと考えています。
すべてのとんちストにとって、「陸軍中野予備校」6巻(ISBN:4091214363)に掲載された「恐怖読みきり 一休さん」は必見です。
・とんち道場 *黒寺
やっぱり暗黒寺なんでしょうが、これ、規制でも入りましたか?
・二代目総帥 拳王
謙翁さまという禅師も一休さんと関わりが深いそうですが、暗黒寺の和尚なら、やっぱり「がいかん」という名前の方がよかったのではないかと思います。
凱漢なんて漢字を当てるのはいかがでしょうか?
・食べられない! 食べられやしないわよ!! マリーがママのためにとっておいたパンだもん!
まるまる1ページを割いて、こんな悲しい「解答」を用意する芸の細かさに脱帽です。
墓碑銘からすると、ママの名前は「Catharine Rolen」でしょうか?
私はCHABASHIRAとCHIBASHIを見間違えた実績があるので、アルファベットの読み取りに自信がありません。
・思う存分 なめるがよい!!
なんだかこういう妄想方向に暴走したリアクションがすごく懐かしいです。
そして、きっと私だけではないでしょうが、いかにもV博士がいいそうなセリフなのに透瑠さんが出てこないという現実が、あまりにもさみしいです。
・学校にとんち部って作るのどう!?
なんだか、小夜ちゃん(仮)に、うすた先生のヒロイン(モエモエとか高菜さんとか)のオーラが出ているような……。