『ジョジョの奇妙な冒険』54巻「ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅 『OA−DISC』をゲットせよ」より


大亜門先生がスピンちゃんの連載を打ち切り宣告された時
耳を疑ったのは(ジャンプ連載作家の中では)大亜門先生ひとりだけだった


ジョジョパロを載せたのは愛情ゆえなのだ オマージュってやつで無罪ではないのか


だが 誰も「掲載している雑誌に載っていた作品をリスペクトした」なんて信じなかった
そんな事ができるヤツなど この世にはいないというわけだ


ジョジョネタをあつかった」という所だけ パクリ扱いされていた


常に楽観的な人生を送って来た大亜門先生だったが
この時ばかりは頭をかかえた

自分の青春を掛けたパロディが認められない…



この「すぐに誰もが忘れるであろう事件」に
………
注目した編集者がひとりだけいた

彼はジャンプで起こるこの手の事件には常に目を光らせていたのだ


この作者は無罪だ…
間違いない


そして…………………………
という事はとんでもない『パロディの才能』と『心臓』の持ち主という事でもある……………


だが…
この大亜門という作家の事をジャンプの読者に報告すべきだろうか?


いや…
報告しなければ彼のような作家は同人誌の世界には収まりきらないだろう

たとえそうでなくても コミケの中で小学館藤子・F・不二雄先生のシンパと面倒を起こす事はほぼまちがいない


彼の「判決」をくつがえせるのは「読者」の力だけだ…
この大亜門先生 「読み切り」の試験を受ける事になるのだろうが…
これは彼の「歩むべき道」なのだ………



こうして大亜門先生は「伝説のヒロイヤルシティ」と「一九ポンチ咄」の試練を越え


ジャンプに連載枠を確保したのだった